運転中に地震に遭遇した場合の対処法
- kenzii
- 2019年11月4日
- 読了時間: 4分
更新日:2019年11月6日
海や山など美しい自然に恵まれた日本は、同時に、地震、津波、台風、豪雨、火山噴火などさまざまな自然災害が発生しやすい国でもあります。 災害が発生したときはクルマの運転を控えるというのは常識ですが、不運にも運転中に災害に直面してしまうことも考えられます。万が一のときに慌てないように、災害時の対応を覚えておきたいものです。 今回は運転中に大きな地震に遭遇した場合の対処法について紹介します。 地震発生時のクルマの動きと対応
クルマを運転していると、さまざまな震動を感じますが、タイヤとサスペンションの効果によってある程度の衝撃は吸収されるため、震度の小さな地震の場合はそのゆれに気がつかないこともあります。
しかし大地震の際は、タイヤがパンクしてしまったときのように車体が激しくゆれ、ハンドルをとられるような動きが発生します。このようにクルマの運転中にはっきりと地震だとわかる場合は、かなり大きな地震であると認識しましょう。大地震が発生したときのドライバーの対応については、教習所や免許更新の際の講習で必ず習っているはずです。
大きなゆれを感じたときは、慌ててハンドルから手をはなしたり、急ブレーキをかけたりすることは危険です。しっかりとハンドルを押さえ、徐々にスピードを落とすようにしてください。それからハザードランプを点灯させるなど周囲のクルマに注意をうながし、安全を確認してからゆっくりと減速して道路の左側へとクルマを移動させることを考えましょう。
※有事の際の対処法を覚えておけば、いざというときでも冷静に行動できます。 大地震発生時の措置
「交通の教則」では、クルマの運転中に大地震が発生したときは、次のような措置をとることと記載されています。
■急ハンドル、急ブレーキを避けて、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止させること。
■停止後は、ラジオで地震情報や交通情報を聞き、その情報や周囲の状況に応じて行動すること。
■クルマをおいて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動しておくこと。やむを得ず道路上において避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーはつけたままとし、窓を閉め、ドアはロックしないこと。
■駐車するときは、避難する人の通行や災害応急対策実施の妨げとなるような場所には駐車しないこと。
ここで判断が難しいのは、しばらく停車して様子を見るか、クルマを離れて避難するかの見極めです。無理に運転を続けた場合、道路の陥没や崩落、高架の倒壊、火災などの二次災害に巻きこまれてしまう可能性もあります。
現在、放送局によって震度などの基準は異なりますが、ほとんどのラジオ放送局では大地震発生の際には通常番組を中断して緊急地震速報が放送されることになっています。ゆれがおさまるまでは車外には出ずに、ラジオをつけて地震情報や交通情報を確認し、その指示情報や周囲の状況に応じて行動しましょう。
※安全な場所にクルマを停車させて、ラジオで情報を収集しましょう。 車外へ避難する際の注意点
大規模地震災害に関する警戒宣言が発せられた場合、クルマによる避難は禁止されます。また、これは地震以外の災害の場合も含まれますが、大きな被害の出ていない区域でも、緊急車両以外の通行の禁止、制限が行われることがあります。
ここで道路上にクルマを残して避難するときの注意点をまとめておきましょう。
できるだけ道路の左側に寄せて駐車する。
通行禁止区域では、緊急車両の通行や防災応急対策の実施の妨げとなる車両は強制的に移動もしくは破損されることもあります。できるだけ道路をふさぐような位置には停めないようにしましょう。
エンジンを止めてサイドブレーキをかけ、窓はすべて閉める。
車両火災などの二次災害を防止するためにエンジンは必ず停止しておきましょう。また、窓をしっかり閉めることで車内への引火予防と盗難対策とします。
エンジンキーをつけたままにし、ドアもロックしないこと。
これも防災応急対策の実施時に車両を移動されることがあるからです。ただし、貴重品は車内に残さないように注意しましょう。
車内には氏名と連絡先をメモした紙を残し、車検証は持ち出す。
車両が移動される場合などに連絡があることがあります。また、後日クルマの所有確認をスムーズに行えるよう、車検証を持って外へ出るようにしましょう。
※高速道路上で地震のゆれを感じた場合は、情報掲示板や交通情報の指示を確認しましょう。
大規模な地震が発生した場合はさまざまな二次災害が発生します。そして、停電による信号機の停止や大幅な通行規制などで、クルマによる交通はマヒしてしまう可能性があります。普段から大地震の際の対応を意識し、災害用伝言ダイヤルなど家族との連絡手段についてもしっかりと確認しておきたいものです。
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